細気管支を中心に局在するクララ細胞とその特異的産生蛋白であるクララ細胞分泌蛋白(Clara cell secretory protein: CCSP)について, 肺のリモデリングにおける役割を中心に紹介する. CCSPは, 炎症性サイトカインの産生抑制, phospholipase A2 inhibitorであること, また, 線維芽細胞の遊走能を抑制することにより炎症および線維化に抑制的に作用することが考えられる. さらに, 間質性肺炎のバイオマーカーになることが示唆されている. 末梢気道傷害時には分岐部のクララ細胞ないしは神経内分泌細胞が産生するcalcitonin gene-related peptide(CGRP)により細胞増殖・分化し, 気道上皮細胞を修復すると考えられる.