Journal of UOEH
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左・右・両側植え込み兼用ペースメーカー本体の臨床的有用性
安部 治彦荻ノ沢 泰司川上 和伸長友 敏寿中島 康秀
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2003 年 25 巻 1 号 p. 13-22

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抄録
最近のペースメーカー技術工学の進歩により, ペースメーカーのリード細小化やジェネレーター本体の小型化, 更に左右両側使用可能なジェネレーター (Neutral Anode Positioning: NAP)が開発され, ペースメーカー植え込み手術も容易になりつつある. 左右両側兼用可能なジェネレーターの有用性については認められているものの, そのマイナス面についての研究はなされていない. 我々は, このNAP機能を有する62名の患者のペーシング・センシング閾値, 及び筋電位トラッキング・抑制閾値について検討した. すべての得られた測定結果はNAP機能を有しない通常のジェネレーターと明らかな差を認めず, 正常範囲内であった. 従って, NAP機能を有するペースメーカージェネレーターは植え込み手術に際し, 一人の患者に従来の右用・左用ジェネレーターをそれぞれ準備することなく, いずれの側にもその場で植え込み可能であるため臨床上有用なものである.
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© 2003 産業医科大学
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