抄録
中途障害者の職場復帰(以下復職)は本人だけでなく就業先の雇用主にとっても重大な問題である. 早期の復職は社会的な経済的損失を最小限に抑えるとともに, 本人の社会復帰を促進する. 復職支援プログラムは中途障害者の早期復職を図り, 休職の期間と費用を減少させることに効果があることが報告されている. このプログラムは障害を被った勤労者の職場適応を医学的な側面から評価し, 適切な職場での障害管理を実施すること, すなわち適正配置を行うことにある. 具体的には彼らの就業能力と復帰予定業務を適切に評価し両者のバランスを図ること, また, 復職に際して本人や他者へのリスクとならないように介入を行うことである. 本稿では復職支援プログラムの過程と概略について, 事例を紹介するとともに医学的な適正配置の観点から詳述した.