2004 年 26 巻 1 号 p. 75-83
麻酔管理を安全に遂行する上で気道確保はこの上なく重要である. 日々の臨床麻酔の中で喉頭痙攣はいつでも遭遇する可能性があり, いったん起これば急激な低酸素血症, それに引き続く多臓器障害へと進行していく. しかしながら今日までその病態, 頻度, 予防, 治療などを含めた系統的な総説がなかった. 今回, 研究方法(調査研究と比較研究), 麻酔の導入と覚醒, 気管チューブとラリンジアルマスク, 抜管のタイミングなどごとにそれぞれまとめた. また, 麻酔に伴う喉頭痙攣の迅速な診断, 確実な予防法・治療法を文献的考察とともに記述した.