Journal of UOEH
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内分泌撹乱化学物質のマクロファージ機能に及ぼす影響
山下 優毅杉浦 勉吉田 安宏黒田 悦史
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2005 年 27 巻 1 号 p. 1-10

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抄録
我々はdiethyl stilbesterol(DES), 4, 4'-isopropylidene diphenol (BPA), bis (2-ethylhexyl) phthalate (EHP)およびp-nonylphenol(NP)などの内分泌撹乱化学物質(ED)がマウスのリンパ球を刺激し, 増殖反応やサイトカイン産生を亢進することを報告した. 今回これらEDのマクロファージ機能に及ぼす影響をin vitroで解析した. DES, BPA, EHP, NPなどのEDはthioglycolateで誘導したマウスの腹腔浸出細胞(マクロファージ)を刺激し, インターロイキン(IL)-1, IL-6, IL-12, 腫瘍壊死因子(TNF), マクロファージ遊走蛋白(MCP)などのサイトカインの産生を誘導した. この作用は10-6-10-8M濃度で見られたが, 10-7M濃度で最も著明であった. これらのEDで処理したマクロファージでは抗原提示に必要なCD86の発現が増強しており, また, T細胞への抗原提示能も亢進していた. これらの事実から, DES, BPA, EHP, NPなどのEDがマクロファージ機能を修飾する活性を有していることが明らかにされた.
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© 2005 産業医科大学
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