Journal of UOEH
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ベンゼン取り扱い作業者のベンゼン曝露と尿中代謝物の簡易モニタリング
山内 恒幸小野寺 周岡田 孝之山田 憲一高田 勗門脇 武博村山 留美子内山 巌雄後藤 純雄
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2005 年 27 巻 1 号 p. 97-104

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抄録
職業性ベンゼン曝露の生物学的モニタリング法として尿中trans, trans-muconic acid(t, t-MA)を測定する簡易手法について検討を行った. ベンゼン取り扱い作業場において延べ74名(非喫煙者29名, 喫煙者45名)の男性を対象とした. ベンゼン曝露濃度は, 有機ガスモニターを用いGC/FIDで分析した. 尿中t, t-MA濃度は, 尿を固相抽出カラムにより前処理し, HPLCで分析した. その結果, 曝露濃度(X:ppm)と尿中t, t-MA濃度(Y:mg/g・クレアチニン)との間には, Y=0.948X+0.586(r=0.798:非喫煙者), Y=0.885X+0.894(r=0.871:喫煙者)の関係が得られた(P<0.01). これらから, 1ppm曝露における尿中t, t-MA濃度は, それぞれ1.5および1.8(mg/g・クレアチニン)と推定された. これらは, これまで報告されたものと同程度であり, ベンゼン曝露の簡易モニタリング法としての有要性が認められた.
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© 2005 産業医科大学
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