Journal of UOEH
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米ぬか熱水抽出液中のラジカル消去活性とフェノール酸類の関与
岡井 康二岡井(東) 紀代香
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2006 年 28 巻 1 号 p. 1-12

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抄録
日本産米ぬかの熱水抽出液のエタノール可溶性(ES)画分中にDPPHラジカルに対するきわめて強い抑制活性を見出した. さら0.1にES画分中のラジカル消去活性成分の候補としてフェノール酸類が存在することが判明したのでアンバーライトXADクロマトグラフィーとODS高速液体クロマトグラフィーによりそれらを精製し, 8種類のフェノール酸を同定した. これらのフェノール酸類の中で, プロトカテチュイック酸, カフェイン酸, フエルラ酸, ゲンチシック酸がアスコルビン酸やどタミンEよりも強いラジカル消去活性を示した. しかしこれらのフェノール酸類は, リノール酸による過酸化脂質の生成に対する抑制効果は示さなかった. 以上の結果から日本産米ぬか中のラジカル消去活性はいくつかのフェノール酸類の働きによることが示唆された.
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© 2006 産業医科大学
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