Journal of UOEH
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産業医大病院地下ピット工事に伴う細菌感染症予防のための汚泥の細菌叢検査
福田 和正市原 剛志郡山 一明谷口 初美
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2007 年 29 巻 1 号 p. 39-49

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抄録
2006年産業医大病院の地下ピット工事作業に伴う汚泥からの細菌感染症予防のため, 168 rRNA 遺伝子を用いた遺伝子工学的手法により細菌叢解析を行った. サンプルとしてピット内5箇所の汚泥を用いた. 全菌数は1.9×107~4.4×108 cells/g であった. 約90クローンについて菌叢を解析した結果, 登録されている細菌の基準種と97%以上の相同性を示し, 種レベルでの推定が可能な菌の割合が9〜19%で. 80%以上は相同性が低く菌種の推定までは不可能な菌であった. その中で病原菌と報告されているものとしてレジオネラ属菌が2つのサンプルでそれぞれ1クローン(約1%)ずつ検出され, 抗酸菌が1サンプルで1個検出された. これは通常の土壌でも検出される頻度であり, 細菌感染の危険性は特別に高くはないと判断された.
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© 2007 産業医科大学
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