Journal of UOEH
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炎症性ざ瘡の抗菌療法 ― 抗菌剤による新規抗炎症作用を中心に ―
村田 宏爾戸倉 新樹
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キーワード: ざ瘡, 抗菌剤, 抗炎症作用
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2007 年 29 巻 1 号 p. 63-71

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抄録

尋常性ざ瘡すなわちニキビは非炎症性機序・炎症性機序の二面性をもつ疾患であり, それぞれに配慮した治療が必要である. 非炎症性機序は毛包性角化による面皰形成であり, 炎症性機序はそれに引き続いて起こる複雑でしかもニキビに特徴的な炎症性連鎖である. 従ってニキビの病態は単なる毛穴の詰まりや細菌感染でなく, 毛包組織障害およびそれに付随する種々の炎症である. 最近の知見として, ニキビに用いられる抗菌剤には, 抗菌作用以外に抗炎症作用があり, それがニキビに奏効する理由となっていることが明らかとなった. 外用剤として使用されるナジフロキサシン, クリンダマイシン, 内服薬としてのマクロライド系, テトラサイクリン系, ニューキノロン系薬剤には, 種々の抗炎症作用・免疫調整作用があり, これがニキビ生成機序の各ステップを抑制するのである.

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© 2007 産業医科大学
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