Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
中世中西部九州人の過長頭型
北條 暉幸
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 3 巻 1 号 p. 11-13

詳細
抄録
熊本市近郊2遺跡から得られた中世の中西部九州人(男性成人)が過長頭型であることが記載され, 同地方人の頭蓋骨形態の時代的変化が考察された. 現代中西部九州人の頭骨指数の平均値は中頭型であるが, 中世の中西部九州人の頭骨指数の平均値は68.1で過長頭型である. 中世鎌倉人に関して, 鈴木は頭骨指数の平均値は74.2で長頭型であることを示した. 中西部九州人の頭骨指数は中世から近世を経て現代にかけて増加している. この現象はヨーロッパ諸国においても認められているところの短頭化現象であって, その明確な原因をつきとめることは難しいが, 人類の自己家畜化現象にもとづく変化の1つであると考えることができよう.
著者関連情報
© 1981 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top