Journal of UOEH
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皮質動脈破綻による急性硬膜下血腫の2症例
副島 徹奥田 真也脇坂 信一郎徳田 元松岡 成明
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1981 年 3 巻 1 号 p. 51-55

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抄録

明らかな外傷を認めない急性硬膜下血腫の2例を報告した. 何れも術前検査や手術所見から, 脳動脈瘤, 脳動静脈奇形などの血管奇形や脳挫傷は認めず, その原因として皮質動脈壁に生じた小孔からの出血が考えられた. 第1例は外傷の既往がなく非外傷性と考えられたが, 第2例はアルコール中毒で, 軽度の頭部打撲を経験したことがあり, 外傷との関係を否定はし得なかった. 現在までに集め得た特発性急性硬膜下血腫で, 出血源としての皮質動脈壁の小孔を確認した報告例は8例のみである. 外傷由来の報告例も含めて, この種の急性硬膜下血腫をレビューし, 血腫形成の機序について若干の検討を加えた.

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© 1981 産業医科大学
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