Journal of UOEH
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エールリッヒ腹水癌細胞における核小休および核小休クロマチンに存在するDNAポリメラーゼ含量について
平野 英保東 監
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1981 年 3 巻 3 号 p. 191-201

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抄録

盛んに増殖をしているマウスのエールリッヒ腹水癌細胞から核および核小体を単離精製し, そこに存在するDNAポリメラーゼの諸性質およびその含量を検討した. 細胞内でのDNAポリメラーゼの分布を調べるに当って, これら酵素の細胞内分布は, 細胞をホモジェナイズする溶液等によって左右され易いので, 全く異なる2つの方法で, 核を単離した. 1つは低張液, MgCl2および界面活性剤であるNonidet P-40を用いる方法で, 他は等張液とCaCl2のみで, 界面活性剤は用いない方法である. 核, 核小体およびクロマチンから DNAポリメラーゼを抽出し, DEAE-セルロース・カラムクロマトの後, α, βおよびγを夫々選択的に測定した. 核と核小体では, 夫々のDNA含量に比例しでDNAポリメラーゼも存在した他, 核小体クロマチンにも強く結合しているDNAポリメラーゼが存在したので, その複製に関与していることを示唆している.

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© 1981 産業医科大学
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