Journal of UOEH
Online ISSN : 2187-2864
Print ISSN : 0387-821X
ISSN-L : 0387-821X
清潔援助の技術習得過程における自己評価と学習方略との関係
藤田 佳代子弓削 なぎさ川本 利恵子米田 由美村瀬 千春
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 30 巻 1 号 p. 83-95

詳細
抄録
学生の清潔援助の技術習得度と学生が技術習得のためにどの学習方略を活用したかを明らかにすることを目的として, 看護学生の1年生71名を対象に洗髪と清拭・足浴・寝衣交換の自己評価(各19項目)と学習方略の活用度(15項目)の調査を行った. 各援助の自己評価は平均評価点を算出し, 両援助の総合評価および認知, 精神運動, 情意領域の評価を高低群に分け, 2群間における学習方略の活用度の比較をMann-Whitney U検定で行った. 回収率は81.7%であり, 清潔援助の自己評価は, 精神運動面の項目は高いが認知・情意面の項目は低かった. 総合評価の高評価群は, 講義, 事前学習, 演習を活用していた(P<0.05, P<0.01). さらに, 認知面の高評価群は講義や演習での教員の説明・指導を活用し, 精神運動面の高評価群は, 講義での基本動作の説明, 実習室での練習や練習時の教員の指導を活用していた(P<0.05, P<0.01). また, 情意面での高評価群に技術習得を狙った学習方略の活用はなく, 情意面における学習方略の検討が課題となった.
著者関連情報
© 2008 産業医科大学
前の記事 次の記事
feedback
Top