抄録
本研究では, 長時間労働者に対する医師の面接指導を含めた過重労働対策の体制を効果的に構築するためのツールとして開発された「過重労働者の健康リスクマネジメントのためのアクションチェックリスト」(以下, ACL)を用いて, 過重労働対策をテーマとしたセミナーでの試用(以下, セミナー調査)および小規模事業場を中心とした40社を対象に介入研究(以下, 介入調査)を行い, その有用性の評価を試みた. 介入調査では, 回収率が不十分だったこと, 法令の適用前であったこと, 介入期間が短かった可能性があったことなどの要因により, 介入効果は得られなかった. 一方で, セミナー調査では, 約8割の参加者からACLの使用方法が理解でき, 事業場に戻ってからも利用できそうであるとした評価を得た. また, 過重労働対策で遭遇し得る仮想の事例に対しても, ACLの利用によって解決方法が検討しやすくなる可能性が示唆された.