抄録
韓国では家庭やレストランでポータブルガスレンジの使用が広まっているので, 室内空気汚染物質の排出を明らかにし, 最適な換気率を提言することは重要である. 十分に混合されたチャンバーを用いて, 定常状態におけるポータブルガスレンジからの窒素酸化物, 一酸化炭素, 二酸化炭素および総揮発性有機化合物の排出を明らかにするための試験を行った. ポータブルガスレンジからの空気汚染物質の排出速度の幅は, 一酸化窒素については0.55〜0.94mg/h, 二酸化窒素については0.35〜1.08mg/h, 窒素酸化物については1.21〜1.63mg/h, 一酸化炭素については1.39〜4.21mg/h, 二酸化炭素については2430〜2970mg/h, 総揮発性有機化合物については0〜0.12mg/hであった. ポータブルガスレンジからの空気汚染物質を管理するために必要な換気率の平均値と最大値は, 二酸化窒素の排出速度に基づくと, それぞれ, 2.70m³/hおよび3.13m³/hであった. レストランでのポータブルガスレンジ使用による外食産業労働者および顧客の二酸化窒素への平均曝露濃度は, それぞれ, 48.2 ± 21.5ppbおよび64.7 ± 31.5ppbであった.