Journal of UOEH
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心肺蘇生後に発症した無石胆嚢炎の一例
岩田 輝男林 健司市来 嘉伸小原 剛後藤 慶原山 信也長門 優二瓶 俊一谷川 隆久毛利 文彦相原 啓二蒲地 正幸
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2009 年 31 巻 1 号 p. 57-62

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抄録
症例は47歳, 男性. 平成18年1月に自宅で心肺停止状態にて発見され当院搬送. 来院時両側瞳孔散大, 心室細動の状態であった. 心肺蘇生後, 自己心拍再開したが, V2-V5でのST上昇を認めたため同日心臓カテーテル検査施行. 左前下行枝に完全閉塞を認め, 経皮的冠動脈形成術を施行し循環動態は改善した. 入院後26病日に, 無石胆嚢炎を発症. 急性心筋梗塞後, 抗血小板薬内服中であり, 全身状態からも緊急手術は困難と判断し, 経皮経肝胆嚢穿刺吸引術(PTGBA: percutaneous transhepatic gallbladder aspiration)を同日施行, 胆嚢炎は軽快した. 手術困難な症例における無石胆嚢炎に対しては, 胆嚢穿刺による非侵襲的なアプローチが有効な治療法の一つとなり得ると考えられた.
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© 2009 産業医科大学
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