抄録
重度な四肢麻痺を呈し, 回復が遅延した軸索型ギランバレー症候群の4例を報告する. 症例はいずれも男性であり, 臨床経過, 電気生理学的検査などにより軸索型ギランバレー症候群と診断された. 3例において痛みが問題となり, 2例においてクレアチンキナーゼの著明な上昇を認めた. 1例に手指の拘縮を認め, 2例が呼吸筋の麻痺により人工呼吸器管理となった. 極期から退院までの機能的重症度分類において改善を認めたのは2例であった。同様に日常生活活動で改善を認めたのは2例であった. 軸索型ギランバレー症候群の急性期理学療法においては疾患特性をよく理解し, 患者の心理面に配慮したアプローチが重要であると考えられた.