Journal of UOEH
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動脈硬化病変におけるヒスタミンの役割
王 克鏞谷本 昭英笹栗 靖之
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2010 年 32 巻 1 号 p. 63-71

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抄録
ヒスタミンは, ヒスチジン脱炭酸酵素によってL-ヒスチジンから合成され, 炎症, アレルギー, 胃酸分泌, 神経伝達といった生体反応を調節する生体アミンである. 動脈硬化病変では, マクロファージ由来の泡沫細胞から産生されたヒスタミンは, 血管平滑筋, 血管内皮, 炎症細胞に特異的ヒスタミン受容体を介して作用し, 炎症反応に関わる多くの分子の発現を調節している. 動脈硬化病変の形成と進展には, ヒスタミンネットワークによる慢性炎症反応の制御システムが関与している.
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© 2010 産業医科大学
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