Journal of UOEH
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ペルオキソレドキシン4 : 炎症性疾患における重要な役割
山田 壮亮丁 妍笹栗 靖之
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2012 年 34 巻 1 号 p. 27-39

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抄録

ペルオキシレドキシン4(PRDX4)が, 様々な炎症性疾患において重要な役割を有していることについて詳述する. PRDXは抗酸化作用を有する一酵素群として知られ, 少なくとも6種類に及んでおり, 多くの生体内で広く発現していることが報告されている. 特にPRDX4は, 他のPRDXと発現型を異にし, 唯一の分泌型として発現しており, 細胞外領域において酸化ストレスからの組織傷害を防御する役割を有するとされる. 最近我々は, ヒトPRDX4 (human PRDX4)のトランスジェニックマウス(Tg)を作製しstreptozotocinの単回大量投与誘発1型糖尿病モデルを確立した. Tg膵の特にラ氏島においてヒトPRDX4が高発現しており, 増加する酸化ストレスおよび炎症性サイトカインを伴った膵島炎が, PRDX4により特異的に抑制, 防御され生体内で保護的に機能していることを報告した. PRDX4は将来的に動脈硬化や糖尿病を含む様々な炎症性疾患に対する有効な治療薬の一つとして期待される.

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© 2012 産業医科大学
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