Journal of UOEH
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未診断肺腫瘤として外科切除を施行した肺過誤腫症例の検討
篠原 伸二花桐 武志桒田 泰治竹中 賢岡 壮一近石 泰弘永田 好香下川 秀彦重松 義紀中川 誠浦本 秀隆宗 知子田中 文啓
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2012 年 34 巻 1 号 p. 41-46

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抄録

肺過誤腫は, 肺良性腫瘍の中でもっとも頻度の高い良性腫瘍である. 当科において2000年から2009年の間に外科切除を施行した肺過誤腫の9例について臨床病理学的に検討した. 性別は, 男性1例, 女性8例であった. 年齢は, 42歳から77歳に分布し, 平均59歳であった. CTにおいて石灰化を認めた症例は1例のみであった. 気管支鏡下肺生検は5例に行われ, いずれの症例も術前確定診断は得られなかった. 18F-fluorodeoxy glucose (FDG)-positron emission tomography検査は6例に施行され, 1例に軽度のFDGの集積を認め, 5例においては集積を認めなかった. 術式は管状葉切除1例, 区域切除1例, 葉切除2例, 部分切除3例, 核出術2例であった. 全例において, 術後合併症はなく, 再発も認めていない. 術前に気管支鏡下肺生検で診断できないことが多く, 典型的な過誤腫の特徴を備えていない場合は, 肺癌, 転移性肺腫瘍などの悪性腫瘍との鑑別が重要となり, 診断・治療を兼ねて, 外科切除を行うことが必要となる.

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© 2012 産業医科大学
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