Journal of UOEH
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[短報]
短時間刺激型インターバル運動が身体諸機能に及ぼす効果-日本人における無作為化比較介入試験によるパイロット研究-
江口 泰正太田 雅規井上 智博本多 融守田 祐作今野 由将大和 浩
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2012 年 34 巻 4 号 p. 297-308

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抄録

インターバルトレーニングは,有酸素能力の向上だけでなく健康に対しても効果的である.しかしながらこのトレーニングは高強度運動を伴っており,高齢者や低体力者には心血管系へのリスクもある.そこで,高強度運動の時間を短縮した短時間刺激型のインターバル運動(Transitory Stimulation Interval Exercise: TSIE)を開発し,その効果について調査した.30名の女性を無作為にTSIE群,一定負荷運動(Continuous Moderate Exercise: CME) 群,非運動(No-exercise: NE)群に割り振り,運動群には12週間運動を継続して行った.その結果,TSIE群はNE群と比較して体重減少率と有酸素能力向上率において有意な効果が見られたが,CME群とNE群との間には有意な差は認められなかった.HbA1c低下については,TSIE,CME両群ともにNE群と比較して有意な効果が見られた.しかしながら全体的にはTSIE群とCME群との間にはほとんど有意な差は認められなかった.エネルギー消費量が同等なため,一時的な刺激にはなるが,長期的には差が生じない可能性がある.

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© 2012 産業医科大学
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