抄録
クロム製錬作業従事者の肺がんリスク上昇は,これまでの多くの疫学研究にて評価が確立している.一方,クロムメッキ産業についてはクロム化合物の使用量が最多の産業分野であり,作業者は多くの小規模工場に多数従事しているにも関わらず,作業の発がん性評価はいまだ不十分であり,その確立は急務である.我々は先般,国内のクロムメッキ作業者の追跡調査の延長を行い報告した.この報告およびこれまでの海外の疫学調査結果からクロム曝露による肺がん,悪性リンパ腫,脳腫瘍死亡リスクの増加,および作業開始年の影響が作業期間よりも大きい可能性が示唆された.