Journal of UOEH
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[報告]
就労年齢における緑内障患者の視機能評価
村上 美紀 小畑 泰子大和 浩近藤 寛之
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2015 年 37 巻 3 号 p. 217-222

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抄録
産業保健現場では視機能が労働能力に影響する.就労年齢で緑内障に罹患した人の中で視覚喪失の頻度や程度について調査し,また,眼球運動訓練などのロービジョンケアや就労上の配慮を行った者について調査した.平成24年10月からの平成25年9月までの1年間に医療法人むらかみ眼科医院を受診した15歳から64歳までの3,905人のうち,緑内障疑いの患者363人,緑内障と診断かつ治療開始された患者138人であった.緑内障患者に,視力,視野検査を施行し,FVS(functional vision score)を計算した.機能的視覚の低下が認められた患者数,ロービジョンケアを施行した患者数を年齢別に調査し,比較検討した.視力検査,視野検査の結果FVSにて機能的視覚の低下が認められ,FVSクラス分類でclass 1(軽度視覚喪失),からclass 3(a 重度視覚喪失)となった患者数は18人であった.FVSはWHOの統計と相関しclassごとに読書能力や歩行能力について予想ができる.今回の調査では45歳以上の緑内障患者の約14%に機能的視覚の低下が認められた.その78%はclass 1であった.FVSではclass 2(中等度視覚喪失)以上がロービジョンと定義され,class 1は正常の視機能に近いが予備能のない状態で日常生活や事務作業には問題がないが,現業では作業内容や環境によって課題を抱え,環境整備や適正配置などのため産業保健職の介入が必要となると思われる.
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© 2015 産業医科大学
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