Journal of UOEH
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ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法を用いた気管支鏡による末梢型肺癌の診断関連因子の検討
内村 圭吾 山﨑 啓石本 裕士垣野内 祥木村 公紀金谷 智子松永 崇史川口 貴子福田 洋子阪上 和樹畑 亮輔井手口 周平高木 努白石 朝子赤田 憲太朗花香 未奈子西田 千夏城戸 貴志矢寺 和博迎 寛
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2016 年 38 巻 1 号 p. 17-23

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抄録
近年,末梢肺病変の診断率改善のためにガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(endobronchial ultrasonography with a guide sheath(EBUS-GS))は汎用される手技となっている.本研究ではEBUS-GSを用いた末梢型肺癌の診断関連因子を後ろ向きに検討した.2014年8月から2015年9月に産業医科大学病院呼吸器内科でEBUSGSを行い,最終的に原発性肺癌と診断した症例(76例)を対象とした.末梢型肺癌の診断率は71.1%であった.診断に関連した因子として,病変の位置,大きさ,性状,bronchus signの有無,EBUSプローブの位置,EBUS所見検出の有無,生検回数,検査時間,仮想気管支鏡ナビゲーションの使用,超音波気管支鏡ガイド下針生検併用の有無,CTスライスの厚さ,術者の医師経験年数,国立がん研究センターでの気管支鏡修練(前後)について検討した.病変の大きさ ≧ 20 mm( 80.8% vs. 50.0%, P = 0.006),EBUSプローブの位置 “within”(90.0% vs. 50.0%, P < 0.001),EBUS所見検出あり(80.7% vs. 28.6%, P < 0.001),生検回数 ≧ 5回(78.0% vs. 47.1%, P = 0.013),気管支鏡修練後(81.6% vs. 60.5%, P = 0.043)において有意に診断率が高かった.多変量解析では,EBUSプローブの位置 “within”( オッズ比14.10, 95%信頼区間3.53 - 56.60, P < 0.001),気管支鏡修練(オッズ比6.93, 95%信頼区間1.86 - 25.80, P = 0.004)の順に診断に寄与していた.EBUS-GSを用いた末梢型肺癌の診断率向上には,EBUSプローブの位置が病変に入っている状態(within)であること,気管支鏡修練度の向上が有用と考えられた.
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© 2016 産業医科大学
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