抄録
混合有機溶剤を取り扱う作業環現場において,環境気中の濃度分布を知ることは労働衛生管理上重要であり,そのためには各成分の平衡蒸気濃度を知る必要がある.本研究では,まず,テトラクロロエチレン-クロロベンゼン系を取り上げ,その平衡蒸気濃度を25°C,空気の存在下で測定した.次に,気液平衡論に基づくUNIFAC (Universal Quasichemical Functional Group Activity Coefficient) 式を用いて相関を行った.この系には,4対のUNIFAC 式のグループ間相互作用パラメータが存在し,すでに3対は決定されていた.本研究では,実測値を非線形最小二乗法で相関することにより,未決定であったACClおよびCl-(C=C)間の相互作用パラメータを決定した.その結果,実測値と計算値は良好な一致を示した.