Journal of UOEH
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繰り返す動悸を契機に診断に至った家族歴を有さない甲状腺ホルモン不応症の1例
黒住 旭岡田 洋右新生 忠司田中 良哉
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2016 年 38 巻 4 号 p. 291-296

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抄録

甲状腺ホルモン不応症(RTH)は,これまで約140種類の甲状腺ホルモン受容体ベータ(TRβ)遺伝子変異が同定されている.今回家族歴は有さないが,繰り返す動悸を契機にRTHの診断に至った中年男性の1例を経験したので報告する.TRβ遺伝子解析の結果,第10エクソン,453番目のプロリンからアラニンへの変異を認めた.RTH はバセドウ病やTSH(thyroid stimulating hormone)産生腫瘍(TSHoma)とは治療法がまったく異なるため,RTHの家族歴を有さなくても,不適切TSH分泌症候群が持続しTSHomaが否定的な場合には,積極的に遺伝子解析を行うことが重要である.

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© 2016 産業医科大学
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