Journal of UOEH
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患者被ばく線量低減に向けたDICOM RDSR(病院内医療用画像規格線量レポート)情報の収集
茂呂田 孝一盛武 敬孫 略石原 隆宏熊 奈津代村田 聡美山田 貴大岡﨑 龍史
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2016 年 38 巻 4 号 p. 335-343

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抄録

近年の血管撮影技術の進歩は,外科手術に比べ低侵襲であり,患者に恩恵をもたらす一方,手技の高度化に起因する透視時間の延長や撮影回数の増加により,放射線皮膚障害などの確定的影響を発生する事例が多くなってきた.最近,病院内医療用画像規格(digital imaging and communication in medicine:DICOM)を用いた患者被ばく線量情報管理に関し,CT装置などでは,画像情報の保存と共に線量情報の保存も行い,個人の累積線量の管理や実効線量の推定に利用するなど報告がなされている.今回我々は血管撮影領域において,撮影条件や線量に関する詳細な情報を,DICOM radiation dose structured report(DICOM RDSR)から抽出し,患者の被ばく線量に占める透視および撮影の割合や,手技別の患者被ばく線量の傾向を評価した.結果,経過観察が必要な3Gyを超える症例が頭部領域で16.7%,心臓領域で27.3%存在したこと,透視に比べ圧倒的に撮影時の線量が高いこと,血管病変より腫瘍病変において診断と治療共に被ばく線量が高いといった一定の傾向があることが分かった.本論文ではさらに,患者被ばく線量低減へ向け,DICOM RDSR情報を根拠として具体的な撮影条件の見直しと,対策立案の可能性について考察した.

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© 2016 産業医科大学
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