Journal of UOEH
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産業医科大学構内と付近の自然林のクモ類相の比較研究
大熊 千代子北沢 右三
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1982 年 4 巻 1 号 p. 1-9

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抄録
北九州市の人為による生態系の破壊と再生の系列に沿って, 産業医科大学構内の新造成地, 芝生, 植込, 湿地, 二次林の5種の生態系型とふきんのシイの自然林生態系について, 人間影響とクモ類相の変化を, 各生態系型について大熊がそれぞれ2時間採集した結果により比較研究した. 科と種の数で示されるクモ類群集の多様性は自然林で最も高く, 二次林がこれにつぎ新造成地の裸地, 芝生が最低であった. クモ類の個体数は森林に多く新造成地の芝生, 植込, 裸地でははるかにすくなかった. 大型の造網性種の全種中で占める比率は森林, 植込, 湿原で大きく芝生や裸地では殆どゼロに近いが, 一方に地上徘徊性種が占める比率は森林で小さく湿原, 芝生, 裸地で大きかった.
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© 1982 産業医科大学
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