Journal of UOEH
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英語の多重談話関連要素移動について
田中 公介
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2018 年 40 巻 3 号 p. 243-251

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抄録

統語計算ならびに意味解釈の必須要素である文タイプ・発話効力関連句(force phrase: ForceP)と定性関連句(finite phrase: FinP)の二種類の機能投射が,生起が随意的な話題化関連句(topic phrase: TopP)と焦点化関連句(focus phrase: FocP)の二種類の談話関連投射を挟み込む形で節境界位置に現れると想定されるカートグラフィ補文標識句(complementizer phrase: CP)分析について,前者二種を,近年のミニマリスト統語派生理論における統語計算の基本単位であるフェイズと想定することは理論的に妥当である.本論では,このような統語派生分析をフェイズカートグラフィCP分析と称し,その分析のもとで,英語の節境界位置に複数の談話関連要素が出現する多重談話関連要素移動(multiple discourse-related movement: MDM)について考察する.具体的な移動要素は,話題化要素,焦点化要素,そしてWh疑問文におけるWh疑問詞である.本分析は,節境界位置に移動した談話関連要素の語順に関する文法的事実を捉えることができる.

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© 2018 産業医科大学
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