Journal of UOEH
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末梢血リンパ球の多様性が推測された劇症1型糖尿病の1症例
黒住 旭 岡田 洋右宮崎 佑介中山田 真吾田中 良哉
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2020 年 42 巻 1 号 p. 57-62

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抄録
症例は29歳女性で,当院に糖尿病性ケトアシドーシスを伴った劇症1型糖尿病に対する加療のため入院となった.8カラーフローサイトメーターを用いて末梢血リンパ球の表現型の解析を行った.健常者対照群と比較して,本症例はCD4陽性T細胞についてはeffector T細胞やcentral memory T細胞が増加傾向でregulatory T (Treg) 細胞は正常であった.さらに,B細胞分化では対照群と比較して,switched memory B細胞とplasmablastの割合の増加を認めた.本症例は末梢血リンパ球解析において既報とは異なった特徴を認め,劇症1型糖尿病病態における末梢血リンパ球表現型の多様性が示唆された.
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© 2020 産業医科大学
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