抄録
北九州市内の社会福祉施設ならびに社会福祉行政機関等244施設に常勤または非常勤医師として関与している196人の医師会会員(A会員173人, B会員23人)を対象として, 5地区別, A・B会員別に性, 年令, 診療科目などの属性の分布状況になんらかの特徴があるかどうかを検討した. 地区別にみると門司24人, 小倉78人, 若松20人, 八幡55人, 戸畑19人であり, 性別では男188人, 女8人である. また全体の平均年令は53.7才(昭和55年末現在)である. 診療科目をみると, 全体としては内科を一番目に標榜するものが121人で最も多く, 小児科31人, 外科20人, 産婦人科8人, 整形外科, 精神科各6人, 耳鼻咽喉科3人, 眼科1人となっている. A会員についてみると内科113人で, これは内科全体の32.5%に相当する. 同じく小児科は28人で小児科全体の47.5%となっている. 整形外科と産婦人科はB会員の方が多くなっている. 社会福祉施設に関与している医師の属性は, その施設の目的, 性格によって多岐にわたっていることを考察した.