抄録
半導体放射線検出器を短飛程放射線の線量率計として使用する方針で, P型表面障壁型検出器を試作し, X線に対する応答性およびその温度依存性を検討した. 比較のために, N型表面障壁型検出器についても行った. 室温においては, N型およびP型検出器ともに閉回路電流は, 15-50R/minの範囲の照射線量率変化に対して直線的な応答を示した. 開回路電圧は, 両検出器ともに直線とはならながった. 温度依存性については, N型検出器の開回路電圧は温度上昇と共に減少すること, 閉回路電流は10-30℃で一定値となり, 以後急激に減少することが示された. P型検出器では,開回路電圧および閉回路電流ともに温度上昇と共に減少した. 以上の結果より, P型検出器は, まだ究明および改良の余地はあるが, 線量率計として使用できることがわかった.