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北部九州の自然林と二次林における落葉技量
稲垣 彰北沢 右三
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1983 年 5 巻 3 号 p. 303-314

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抄録

暖温帯常緑広葉樹林帯に属する北部九州の樹令約250年のスダジイの優占する自然林と, コナラが優占する常緑樹と落葉樹の混交する樹令30年の二次林で, 落葉技量を1981年3月より1982年2月までの1年間, 0.5m2のトラップをそれぞれ15個設置して毎月測定した. 年間総落葉技量は自然林で乾量で6212 kg/ha, 二次林で5877 kg/haであった. 年間落葉量はそれぞれ4109 kg/ha, 4487 kg/haであり, 常緑樹の葉がそれぞれ93%,31%を占めた. 落葉は前者で4, 5月に多く, 後者では5月の常緑樹の小ピークと9月から11月までの落葉樹の大ピークがみられた. 枝, 樹皮の落下量は自然林で756 kg/ha, 二次林で481 kg/haであった. 風速15 m/s以上の風が吹いた月の落下量が多かった. 花の落下量は前者で427 kg/ha, 後者で131 kg/haであり, それぞれ5月, 4月にピークがあった。種子は自然林で335 kg/haで9月にピークがあり, 二次林では203 kg/haで8月にピークがみられた. 両林分とも約6割が優占種の堅果であった.

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© 1983 産業医科大学
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