Journal of UOEH
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出生時体重の測定値に影響を与える要因
華表 宏有土井 徹
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1983 年 5 巻 3 号 p. 315-327

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抄録

出生時体重の測定値の正確さを検討する目的で, 那覇市内の公立O病院と私立A医院における単産の正常出生児の分娩記録(O病院:1966-1975年の6627例, A医院:1955-1974年の9080例)から, 出生時体重の下1, 2, 3桁の数値の分布を調べた. O病院は秤量10kg, 感量1gの卓上台秤, A医院は秤量10kg, 感量50gのばね式皿指示はかりでいずれも当該期間中同じものであった. O病院では下1桁が0または5の測定値が71.4%, A医院では下3桁が000または500の測定値が12%あり,いずれの施設でも"丸め"た読みとりが行われていた. "丸め"た数値の出現について, 性, 初産・経産, 体重, 年次による違いを調べると, O病院のみ年とともに下1桁の0が多くなっていた. "丸め"は, はかりの種類, 秤量と感量, 測定方法のとりきめ等に影響されていることを認め, 新生児期の体重測定の意義とそれに適したはかりを開発することの重要性について考察した.

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© 1983 産業医科大学
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