抄録
尿中エチレングリコールをn-ブチルボロン酸によって誘導体化後, FID付ガスクロマトグラフを用いて定量する方法を検討した. 尿試料(1ml)にエタノール(10ml)を加え振とう後, 遠沈した上澄を減圧乾固させ, n-ブチルボロン酸アセトン溶液を加えエステル化しガスクロマトグラフに注入した. 検量線は尿中エチレングリコール500μg/mlまで直線性を示し, 検出限度は10μg/mlであった. またエチレングリコール100μg/mlでの繰り返し測定によって求めた相対標準偏差は3.5%であった. 本法を酸化エチレンを曝露したラット尿中エチレングリコールの定量に応用した結果, 尿中排泄量は曝露濃度に依存することがわかった.