Journal of UOEH
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Mモード心臓超音波検査によって診断された左室内血栓の1症例
千田 豊高原 和雄今泉 勉中島 康秀黒岩 昭夫
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1985 年 7 巻 1 号 p. 73-79

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抄録
Mモード心臓超音波検査によって診断された左室内血栓の異常エコー像について報告する. 症例は急性心筋梗塞後の41才男子で, 下壁側壁の壁運動低下を示していた. Mモード心臓超音波検査では心尖部よりの前壁直下で, 心筋よりも輝度の強い帯状を呈するエコー像を認めた. この異常エコー像の存在は超音波断層検査やCT検査および左室造影検査によっても確認され, 手術時に左室内に存在する示指頭大の血栓であることが判明した. Mモード心臓超音波検査で帯状のエコー像は通例左室内粘液腫において認められるものであるが, 本症例のような心筋梗塞後の場合や, その他, 心室瘤,拡張型心筋症あるいは長期間持続したうっ血性心不全の条件下では, 左室内血栓からも生じ得ると考えられる.
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© 1985 産業医科大学
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