抄録
一般に健康人の体力の指標として, 最大酸素摂取量, Aerobic Threshold(以下AeTと略す), Anaerobic Threshold(以下AnTと略す)が用いられる. 今回われわれは整形外科外来通院中の慢性関節リウマチ患者9例について, 自転車エルゴメーターによる多段階漸増運動負荷試験を行い, 血中乳酸値・呼気ガス分析・心拍数・血圧の測定を行った. 結果, 最大酸素摂取量は全例で測定不能であったが, AnTは9例中3例, AeTは9例中7例で測定可能であり, 慢性関節リウマチ患者の体力の指標として, AeTが適当であろうと判断した. また上記の患者のうち, 3例についてAeTを強度とする, 自転車エルゴメーターによる運動療法を行い, その効果についても検討した.