Journal of UOEH
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6カ月以上に亘る高熱(弛張熱)と関節痛を主徴とした成人発症Still病の一症例
岡崎 昌博田原 章成八木田 真光森田 翼田岡 賢雄
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1986 年 8 巻 1 号 p. 79-84

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抄録
われわれは, 長期に亘る高熱を主徴とし, 他の臨床症状や検査成績より,成人発症Still病と思われる一例を経験したので報告する. 症例は46才の女性で, 昭和59年9月28日より6カ月以上に亘り38℃から40℃の高熱が出現. さらに多発性関節痛, 発疹, リンパ節腫脹の消長をみた. 入院時, 血沈75mm/時, CRP6+以上, 核の左方移動を伴う白血球増多, α2-グロブリン18.8%など強い炎症所見がみられたが, リウマチ因子, 抗核抗体など自己抗体はすべて陰性であった. 臨床経過ならびに検査所見より感染症, 悪性腫瘍, 他の膠原病, 薬剤過敏症などは考え難く成人発症Still病と診断した. 99mTc骨シンチおよび67Ga腫瘍シンチにて病勢に一致して骨・関節および赤色髄, 脾に核種の強い取り込みがみられ, 病態を考える上で興味ある所見と思われた.
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© 1986 産業医科大学
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