Journal of UOEH
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急性白血病における血清RNA分解酵素測定の臨床的意義
丸岡 啓一山中 正義織田 進千葉 省三江藤 澄哉
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1987 年 9 巻 1 号 p. 35-43

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抄録
各種急性白血病における血清RNA分解酵素(RNase)の臨床的意義について検討した. 対象は健常人50例, 未治療急性白血病55例. 未治療CML18例, 治療中CML13例, 反応性白血球増加症20例である. その結果, APL, AML [M2], AMMoL, ELの白血病期において, 酸性RNase対アルカリ性RNaseの活性比(Ac/AI比)は健常人に比し極めて有意に上昇した(P<0.001). 特にAPLは全例, AML〔M2〕, AMMoL, ELも大部分で酸性RNaseがアルカリ性RNaseより相対的に上昇を示すため, Ac/AI比は1.0以上を示した. さらに急性白血病では, 寛解期に酸性およびアルカリ性RNase活性は健常人に同様のパターンを呈し, 初診時Ac/Al比が1.0以上を示す急性白血病では再発時には酸性RNaseは上昇し, Ac/Al比は1.0以上に復した. したがって本酵素活性の測定は, 急性白血病において寛解および再発の診断の一助になり得ると考えられた.
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© 1987 産業医科大学
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