Journal of UOEH
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小児におけるキャンピロバクタ腸炎
石見 哲朗梶原 康巨山岸 稔田邊 忠夫植村 清隆有吉 洋子小林 利次
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1987 年 9 巻 1 号 p. 61-68

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抄録
1983年1月より1985年12月まで産業医科大学小児科外来受診の感染性腸炎を疑った患者321名に対して便培養を施行した. その結果, Campylobacter jejuniは48名(15%)より検出され, 一方, サルモネラ属6名(1.9%). 病原大腸菌11名(3.4%)より検出された. C jejuniは1歳以下の乳児に20例(42%)検出され, 年齢の低い程検出頻度が高い傾向にあった. 性別は男30例, 女18例であった. 検出頻度において季節的変化は見られなかった. キャンピロバクタ腸炎の主な臨床症状は下痢(94%), 発熱(50%), 血便(44%), 腹痛(31%), 嘔吐(10%)であった. 検出されたC jejuniはゲンタマイシン, アミカシン, カナマイシン, エリスロマイシン, ジョサマイシンとクロラムフェニコールに高い感受性を示した. またキャンピロバクタ腸炎で血便と下痢のみを呈した新生児例, 血便のみを呈したWiskott-Aldrich症候群に乳児例, 各1例について報告した.
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© 1987 産業医科大学
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