抄録
クリオグロブリンJir(IgG3κ), Wat(IgG3λ), Fji(Igκ), ならびに対照としてミエローマ蛋自質Har(IgGlκ)およびXob(IgAκ)について糖鎖構造をガスクロマトグラフで分析検討した. これらの標品は酵素的に分解し, 分離した糖ペプチド鎖についてClampらの方法に準じて分析した. 中性糖およびシアル酸はそれぞれ発色定量法により同定し, 上記の結果と合せて糖含量および組成を決定した. 結果は, 標品ごとに糖含量に変化が見い出されたが, 組成は同一クラスでは一定した値を示し, 末端残基の一部欠損が糖含量の差として示された. アセチルアミノ糖, GlcNAcは総ての標品に検出されたが, GalNAcはKobのみに検出され, O-グリコシド結合糖鎖を含むことが確かめられた. シアル酸はJirおよびWatには検出されずに検出されたことは, シアル酸がクリオ沈澱性の直接の構造要因ではないことを示している. アミノ酸分析機によるアミノ糖および糖ペプチド鎖のアミノ酸の分析結果とも合せて考察した.