Journal of UOEH
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肝尾状葉腫瘍との鑑別に苦慮した後腹膜神経鞘腫(Schwannoma)の1例
阿部 慎太郎三浦 良史松隈 秀峻田岡 賢雄武田 成彰
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1987 年 9 巻 4 号 p. 411-416

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抄録
肝尾状葉腫瘍との鑑別に苦慮した, 68才女性の後腹膜神経鞘腫の一切除例である. 昭和60年8月超音波, 9月CTにて肝尾状葉と思われる部位にmass lesionを認めたため, 11月産業医科大学病院第三内科に入院, 精査となった. 腹腔動脈造影では,肝左葉の動脈は円孤状の圧排を受けるも腫瘍血管像なく, 右下横隔膜動脈より供給される径7cmの腫瘍濃染像あり, 後腹膜の血管性腫瘍と診断された. 昭和61年1月手術施行. 腫瘍は肝左葉外側区域の後方, 右側は下大静脈に接して存在する径8×6×4.5cmの充実性腫瘍であり, 病理組織学的に良性神経鞘腫と診断された. 後腹膜に原発する神経鞘腫は比較的稀な腫瘍であり, 若干の文献的考察を加えて報告した.
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© 1987 産業医科大学
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