2002 年 28 巻 p. 191-202
1950年代後半から1960年代にかけて,沖縄では基地の拡大に伴い外人住宅と呼ばれる米軍基地外の米軍軍人軍属用の民間賃貸の米式住宅が大量に建設された。しかし,本土復帰以降は基地縮小や基地内住居施設の拡充によって基地外の米式住宅の需要は激減し,その結果,住み手は地域住民へと変化した。本研究ではこのような米式住宅を対象として,地域への移行の過程に着目し,その成立と展開の歴史的経緯,非住居機能への転用,増改築を中心とする住宅再生,また居住者評価の諸相を明らかにした。