住宅総合研究財団研究年報
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伝統的家屋の現代的解釈にもとづく地域型居住の提案
茨城県美野里町長屋門屋敷実態調査を通して
大月 敏雄井出 建安武 敦子
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2004 年 30 巻 p. 125-136

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抄録

 地域型居住というと,新築における地場産材の活用や伝統的デザインの応用,伝統的工法の利用など,地域の資産や技術を活かそうというものが多い。昨今では民家の再生や古材の利用なども進んでいる。本研究は,居住が継続しながらも維持管理が困難になりつつある都市近郊の農村部に着目し,伝統的景観を維持しながら建物が継承される方法を探ることを目的としている。景観的な見地から屋敷の構成要素のうち長屋門に着目し,成立背景や形態を明らかにし,これまでの使用履歴から長屋門の果たした屋敷上,地域上の役割を経年的に把握した。最後に研究成果を踏まえ,提案として,自治体と連携して,屋敷を部分的に地域へ開放する可能性を例示した。

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© 2004 一般財団法人 住総研
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