住宅総合研究財団研究年報
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手壊し解体工法による古材の有効利用に関する研究
モデル解体工事に基く実証的研究
宮崎 博文田中 圭井上 正文高梨 啓和平田 誠羽野 忠
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ジャーナル オープンアクセス

2004 年 30 巻 p. 227-238

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抄録

 木造主宅の解体工事から発生する廃木材の効率的な再資源化を図るため,柱,梁などの主要な部材を生かし取りし,再び建築用材等に使用する手懐し解体工法を考案した。実際に手懐し解体工法により工事を行い,発生する廃棄物の種別と数量,特に,廃木材の性状と数量を調査し,手懐し解体工法と現在一般に行われている機械併用分別解体工法とを,解体工事,廃棄物処理,再資源化の各過程において環境及び経済的側面から比較検討した。手懐し解体工法は,分別解体工法と比較して全過程を通してエネルギー消費,所要経費ともに少なく,得られた木材は,古材,再製材,集成材へ修整・加工し,建築用材として再び住宅建築に有効利用できることがわかった。これらは建築材料として住宅中に再ぴストックされることから,CO2の発生抑制に一定の効果を有する。

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© 2004 一般財団法人 住総研
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