2011 年 37 巻 p. 225-235
地域環境に適応した住宅の開口部配置や室内通風についてのデザイン手法の整備が求められている。本研究では,民家の開口部と地域風との関係を考察するとともに,現代住宅の開口部形態の特性を分析し,さらにCFD解析を用いて現代住宅を対象とした室内気流状態に関するシミュレーションを行うことを目的とした。伝統民家を抽出し,開口部のつくりが地域風況を考慮して設けられていた様子を考察した。現代住宅における開口部の形態および配置方位について類型化を行い,1階,2階それぞれ6群に区分した。モデル化した現代住宅についてCFD解析を行い,対象モデルにおいて平均開口率と室内平均流速の間に有意な関係がみられることを確認した。