住総研研究論文集
Online ISSN : 2423-9895
Print ISSN : 2187-8188
ISSN-L : 2187-8188
大規模集合分譲住宅における「住む主体」の形成過程
「関係としての住生活」の現実と構想
平井 太郎祐成 保志
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2015 年 41 巻 p. 37-48

詳細
抄録
本研究では現代日本の集合分調主宅における主体形成の過程を社会学的に分析した。前半では,集合分譲住宅の管理をめぐる法制度にかんする議論の分析とハウジング研究における理論的展開を踏まえ,住宅に関わる主体の変化可能性や複数性に配慮する視点を提起した。それを受け後半では,ある集合分譲住宅における社会学者と居住者双方の反省的な討議の過程を記述したそこでは,かつて管理の客体にすぎないと見なされていた居住者=所有者が組識的に主体化してきた実態を確認したうえで,その主体化の過程をコミュニティ形成ではなくインフォーマルな関係を組み込んだ官僚制化として理解できる可能性を居住者自身とも共有した。
著者関連情報
© 2015 一般財団法人 住総研
前の記事 次の記事
feedback
Top