2018 年 44 巻 p. 157-168
本研究の目的は,社会統計を用いて,住宅の省エネ改修がもたらす社会的な影響を予測的に分析することである。第1に,全国消費実態調査による需要関数の推定結果を用いて,先進エネルギー機器導入を含む住宅の省エネ改修が,消費者 の満足度を向上させる効果を計測し,住宅の省エネ改修の費用便益分析を行った。第 2 に,地域間次世代エネルギーシステム分析用産業連関表を用いて,省エネ改修による光熱費削減が各地域の消費構造を変えることによりもたらす影響をマクロ的に分析した。第3に,社会生活基本調査を用いて,時間帯別節電ポテンシャルの推定を行い,先進的なエネルギーマネジメントシステム構築に資する情報提供を目指した。