「過去の災害復興のコミュニティ形成支援の経験を次に活かすには」 筆者らは東日本大震災の復興過程において,被災各地で孤立を防ぐコミュニティづくりの支援を実践してきた。2016年には「NPO法人つながりデザインセンター・あすと長町」を立ち上げ,いまも各地で取り組みを続けている。これまでの支援には二つのタイプがあり,一つは仮設住宅でコミュニティを育んで災害公営住宅に継承した「あすと長町」の取り組み,もう一つは,災害公営住宅の移行期からコミュニティ形成支援を実施する「塩竈」の取り組みがある。本稿では,これらの経験を2016年4月に発生した熊本地震の復興において活かそうと,現地での支援体制構築を目指して取り組んできた活動の報告を行う。