東北被災3 県の接地型災害公営住宅のうち,特にハイブリッドアクセス形式を採用した住宅団地を取り上げ,被災者の共同性の回復の実態を従前の住まいの特徴,すなわち地方特有の続き間型平面や生活習慣が再建後の環境に作用する再帰性に着目して明らかにした。コモン空間や住宅内外のバッファー空間は,一定の距離感を保ちつつ交流したいという被災者のニーズに応える鍵となっていることを確認するとともに,コモン空間の導入が機能する上で,コモン空間やバッファー空間の設計やしつらえに加え,住宅内部の空間の配列性や循環性による住み方の安定化が重要であることを指摘した。